検索エンジンスパムとは不正な仕掛けをすることで、本来無関係な内容のウェブページを意図的に検索結果に表示させる行為やサイトのことです。サーチエンジンスパム、SEOスパムと呼ばれたりもします。検索エンジンスパムはネチケットに反する行為で、メールで言うところの迷惑メールのような存在になります。
検索エンジンスパムを利用することには、自身のホームページのアクセス数を増やすなどの目的があります。
ある種アクセス向上の為のテクニックとも言えるのですが、このスパムが利用されると閲覧者が探したい情報を適切に得られなくなる等の問題が生じます。
このことは検索エンジン側にとっても好ましいことではなく、閲覧者に障害を与える悪質な存在として検索エンジンスパムは忌み嫌われます。
目次
検索エンジンスパムに該当すると判断された場合は?
現在、検索エンジンスパムに該当すると判断された場合には、検索エンジン側からペナルティが課されるようになっています。
ペナルティの内容は検索エンジンにより様々ですが、例えば、検索結果から除外され上位にヒットしなくなったり、段々と検索結果の表示順位を下げられたりします。
より悪質と判断された場合には、データベースからドメインごと削除されてしまうケースさえあります。
検索エンジンスパムを利用したが故に、アクセス数が伸びない状態に陥ったり、折角仕上げたウェブページを失ってしまったりする羽目になるのです。
ペナルティの判別基準はある?
ペナルティ対象となるウェブページの判別基準は、各検索エンジン側によって異なる面があり、その条件も常に一定とは限りません。
またペナルティ自体、微妙なラインの判別をする上での難しさなどもあり、決して完全な対策と言えるものではなかったりもします。
ですが、こうした検索エンジン側の対処によって、以前と比較すれば検索エンジンスパムの存在は減ってきていると言えます。
同様に、ホームページのアクセス数を悪質な方法を使わず伸ばしていきたいと考えている人達にとっても、検索エンジンスパムのペナルティを必要以上に恐れることもなくなってきているのです。
ですが、自身のウェブページにペナルティの可能性が100%ないとは誰にも言い切ることはできません。
自分が無意識の中で行っていた行為が、検索エンジンスパム行為とみなされることも有り得ます。
ペナルティを受け厄介なことにならないためにも、自身のページがスパムの対象となってはいないか改めてみるようにしましょう。
検索エンジンスパムの種類
一般的に検索エンジンスパムと判断されるウェブページには、次のようなものが挙げられます。
他のウェブページと内容が重複・類似している。似たようなウェブページを複数公開している。
他のウェブページと類似した内容のページを作ることや同じような内容のウェブページを複数つくることは、検索エンジンの順位を操作しようとしていると判断される場合があります。ページ内容は常にオリジナルを意識することが大切です。
もしも類似したページが複数存在する場合には、1つにまとめたり、ページ固有の情報を加えるなどして対処しましょう。
検索結果とは異なる内容のページを公開している。
よく検索されるキーワードの組み合わせや今人気のワードを加えることは、ウェブページのアクセス数を伸ばすためのひとつのテクニックと言えます。
ただ、幾らキーワードからページがヒットしたからと言って、その内容がキーワードとは無関係のものであってはスパムとみなされて当然です。キーワードを活用する場合は、必ず関連した中身あるページにしましょう。
過度に同じキーワードを繰り返し使用している。
一般的に同じキーワードを繰り返し表示されることで、その検索ワードに適したサイトと判断されます。
しかし、この度合いが過度と判断された場合にはスパムとみなされます。
キーワードの適正値はウェブページ内の単語数に依存する面がありますので、ページ上に存在するキーワードの割合を意識するようにしましょう。
過度な相互リンクを行っている。
一時期、相互リンクと言えば、アクセス数を向上させる上では不可欠とも言われていました。
ですが現在では、過剰な相互リンクや無差別に相互リンクを募集することはスパムに該当すると判断されます。相互リンクの解除はリンク先のサイトの都合よる面がありますので、否認機能を活用するなどして対処しましょう。
過度なポップアップ仕様にしている。
過度なポップアップ仕様も、閲覧者の妨げになるものとしてスパム対象となります。
例えば、ページを開いた途端に別ウィンドウで広告が表示される、広告を消すとまた別の広告が表示されるといったものです。広告のクリック率を上げるために行ってしまうようですが、広告は自由に閲覧できるものとして設定しましょう。
クローキングを行っている。
クローキングとは、検索エンジンの巡回ロボットの閲覧と人間の閲覧では、異なるページを表示させることです。
例えば、巡回ロボットが閲覧する上ではキーワードに沿った内容のページに見えても、人間が閲覧した場合にはキーワードとは無関係の全く異なるページが表示されたりします。
特に現在は、PCサイト以外にもモバイルサイトやスマホサイトができたことで、デバイス振り分けの際に無意識に設定してしまう可能性があります。
隠しテキストや隠しリンクを配置している。
隠しテキストや隠しリンクとは、テキストやリンクを背景と同色で配置することで見えなくしたりする設定のことです。
これにより、特定のテキストやリンクを閲覧者に気付かれることなく、検索エンジンにのみ読み取らせることができます。他にも、微細サイズにまでフォントを小さくしたり、小さな画像に大量の代替テキストを記述することなどもスパム行為になります。
metaタグの設定を適切に行っていない。
metaタグには、ウェブページの内容を検索エンジンに伝える要素があります。
現在検索エンジンはmetaタグを重要視しないと言われていますが、皆無とは言えないため利用している人も多くいます。ページに関連性のあるキーワードを記述している場合は問題ありませんが、ページと無関係であったりキーワード個数が過度に多いとスパムの対象となります。
リンクファームに参加している。
リンクファームとは、組織的に大量サイトが各サイト間で大量な相互リンクを行っている状態やサイトのことを指します。
その仕組みについては、リンクプログラムと呼ばれたりもします。相互リンク専門サイトや有料リンクサイトに参加していると、リンクファームとして扱われる場合があります。
中でも特に後半に挙げたものは、悪質な検索エンジンスパムと言えます。他にも、特定の社名を悪用したページや虚偽や詐欺と思われるページなども、当然ながら非常に悪質なスパムの対象となります。
検索エンジンスパムとみなされる行為については、上記で全てという訳ではありません。そのウェブページにより、ペナルティが課される理由も実に様々です。あくまでその全てを明確にできない面があるのが、検索エンジンスパムの難しさや厄介さであったりもします。
ペナルティを課せられたら?
また、万が一ペナルティを課されてしまった場合でも、それで全てが終わりという事でもありません。検索エンジン側のガイドラインに沿った対処を行うことで、ペナルティの解除が可能なケースもあります。
勿論、安易にペナルティ解除となる訳ではなく、ペナルティ解除にはそれ相応の対応力が求められます。
問題とされている表示やタグの改善、再審査を受けるためのレポート作成など、それなりの手間隙と誠意が必要とされるのです。
最後に
このように、行ったところでメリットよりもデメリットの方が多く、結果的に負担も大きいのが検索エンジンスパムの正体です。
求めたい情報を得るために検索エンジンを利用する多くのユーザーのためにも、また何より自分のためにも、検索エンジンスパムには決して意図的に手を出すことのないようにしましょう。